ポイズン・デッドが倒されたことに驚きを隠せない幹部達。
「んなバカな・・・あのポイズン・デッド様がやられるなんて・・・」
ベアは嘆いた。
すると幹部達は立ち上がってこう言った。
「よくもポイズン・デッド様をボロボロにしてくれたな!俺達が親分の敵を討ってやる!!」
幹部達は戦意を見せる。すると
「もういい、やめとけ。」
ポイズン・デッドは幹部達を阻止する。
「なぜ止めるのですか?」
幹部達は不満を見せる。
「今ので分かっただろ?この俺でさえパラレルヒーローズを倒せなかったんだ。お前らが戦ってもどの道倒されるだけだからな。それに・・・時には諦めることも大事だ。」
ポイズン・デッドの言葉に幹部達は納得した。
更にポイズン・デッドは幹部達にこう告げた。
「シャーク、タイガー、ベア、我々ポイズンはこれを期に解散する。」
突然の解散宣言に幹部達は困惑する。
「何故なんですか?」
「私達はこれからバラバラになるの?」
「そんなのあんまりだ。」
幹部達はポイズン・デッドに詰め寄った。
「さっき敗北して気がついたんだ。ワルに手を染めても何もいいことは無いと。それにこんなことやってたらなんか自分がバカらしくなってきたんだよ。あと、ポイズンは解散してもこれから一緒に人生やり直すからバラバラになんかならねえよ。」
幹部達はポイズン・デッドの言葉を受け入れた。
「そうだ、お前らに渡したい物がある。」
ポイズン・デッドはそう言うと三人にある物を渡した。
「これは鍵?」
「奥にある扉に差し込むと開くぞ。その中には特殊な催眠を発生させる装置があるからそれを止めて来い。」
三人は鍵を差し込んで扉を開けると奥の部屋に入っていった。
中には様々な機械が並んでいる。三人はしらみつぶしに探した。するとピンクが何かに気付く。
「もしかしてコレじゃない?」
二人も見てみるとそこには催眠術発生装置と書かれたスイッチがあり、スイッチにはランプが点灯している。
「これでやっと元に戻れるな。」
ホワイトはそう言うとスイッチを押し、催眠術は止まった。
そして
「やっと帰れるわね。」
イエローが言うと三人は飛行船に戻り、自宅近くの広場に戻っていった。
飛行船を降りて変身を解くと雷慈はこう呟いた。
「何だか懐かしい気がするなあ。」
「でも不思議よね。今日一日の間の出来事なのに。」
エレナは言う。
「でも怪我人の治療が終わって復興するのはもう少しかかりそうね。」
マリナに言われて二人はハッとしたのだった。
それからしばらくして雷慈達は学業に励んだり、部活に勤しんだり、休日はごろ寝したりレジャーを楽しんだりといつもと変わらぬ日常生活を送っていた。
そんなある日の休日、三人は外を歩いているとエレナが何かを見つける。
「あそこにカフェがあるから入ってみようよ。」
三人はカフェに入った。すると
「いらっしゃい!」
三人を出迎えたのは元ポイズン・デッドの店長だった。更に・・・
「久しぶりだね。」
奥からは店員となった三人が出て来た。
実はポイズン・デッドと幹部達はポイズンの看板を畳んだ後雷慈達の世界でカフェを経営していたのだ。久々の再会に一同は歓喜に沸いた。
窓際の席に座った三人は外を見てこう言った。
「街は平和だな。」
「そうね。」
終わり